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LE NOTTI BLANCHE


チーム紹介:

[あらすじ]
 高杉のおいちゃんが失踪しました。
 孤児院に預けられているカズキくんがかわいそうです。
 そんなある日、GOFに名前が違うけど似たような人が出場するコトを知りました。
 「ちょっと捕まえてくるわ」というコトで出場を決意しました。

 ……彼女の知る限りで、最強のパートナーに手伝ってもらって。
 詳細は下記のSS参照のこと


メンバー紹介:

舞・顔絵 名前 神威 舞
プレイヤー むらさき
性別 女性
年齢 17歳
階級 軽量級、スーパーバンダム級
サイズ 164cm、54kg
流派 神威流白帯
説明  最終的には根性に頼る、結局精神論全開の流派。
外見  明るいところに出ればわかる程度の微妙な茶髪のセミロング・白い肌(地毛。色素がやや薄い)。
 幼く気弱そうな表情、華奢な身体。美人でもスタイルがいいわけじゃないけど笑顔に愛敬はある。
 試合は半袖レッグスーツに素手素足、たまに白帯道着を羽織る。リストバンドとヘッドバンド。白で統一。
 以前として体重が増えないのは、体質のコトだけではなく、軽量級路線で戦うためらしい。
 左脚にサポーター。たまに脚をひきづっているようにも見える。
備考  今回は強いぞ!(パートナーが(爆))
 
舞・顔絵 名前 アリス 飛
外見  ブルージーンズ、白いシャツ(手持ちの服が少ないので大抵この格好)。胸元にネックレス(銀の十字架:母の形見)
 布にくるんだ倭刀(ないと何だか不安なのだ)。最近は仕事の邪魔にならないよう、髪をポニーテールにしている事が多い。
備考  香港の剣術道場の家に生まれる。が、1997年に相次いで両親が死亡、その上香港返還による混乱の煽りを受けて零落。借金のカタに売り飛ばされる。買い手がテグハ・ファルクスだったのは不幸としか言いようがない(哀)
 テグハの歪んだ趣味を満足させるためだけに、強制的に影武神大会に参加させられていたが解放される。

 現在、倉板舞のところに居候中。
 まだ娑婆の空気に慣れないせいか、暇になるとぼーっとしていることが多い。セコンドを頼まれたのも、少なからずその辺が関係しているかも?
 しばらく無職だったが、華僑系の老夫婦が営む中華料理店「四海酒家」でバイトを始めた。賄い付き+残り物持ち帰り+バイト代でエンゲル係数は大幅に低下しているとか。

 最近、SGCの「師匠」から「結婚を前提としたお付き合い」を申し込まれた。好意はあっても、お互いの境遇のあまりの違いにどう返答するべきか悩む今日この頃である。

 舞からみたアリスは、もはや家族。頼りにしきっている上に多少の甘えとかもあるので、「姉」と言うイメージが一番近い。
 試合に出るコトで心配をかけているコトに薄々気付いてきているが、自分で気付かないようにしようとしている。
 セコンドのほうが紹介欄のスペースは広い。それぐらい、重要な存在(爆砕)

 



名前 ジェスター ジェスター・顔絵
プレイヤー Loose Leaf
性別 男性
年齢 Unknown
階級 Unknown
サイズ Unknown
流派 影式
説明  自らの動きを影と為し、相手の動きの影を打つ、流派にあらぬ流派。
外見  銀色の長髪、ピエロのようなペイント、所々に金のアクセントが入った右側が白で左側が黒のコート、右手に黒の手袋、左手に白の手袋
備考  「『確固たる存在感を手に入れるため』ですが・・・それは他の人には関係のないことですね(苦笑) まあ単に、戦いを楽しむために久しぶりに出てきたと思ってもらえれば結構ですよ。フフフ」

 GOFに出る時に、1番苦労したのはアリスを説得するコトだったかも知れない。
「ゴメン……これだけ、あと一回だけ」
「……気をつけてね」
「うん……ホントにもう、心配かけさせるようなコトはしないから……」
 パートナー探しとかも大変だったけど。やっぱり私にとっての「相棒」は彼女しかいないわけで。


 椎奈さんの慌てる姿って珍しい気がする。
「ほぉー。……やっぱり相手は廣野さん?」
「え、えーっと、それは……」
「どういう関係なのかな〜? 詳しく聞きたいなぁ?」
 GOFに出ようと思ってパートナーを探していて、思い付いたのは椎奈さんだったけど……もうパートナーがいるらしい。そして相手が男の人で、しかもストレートで的中してしまったらしく。
「そ、そういうのじゃなくって……」
「ま、私のコトは気にしないで。廣野さんと愛とコンビネーションでも見せ付けてくださいね」
「うん……ごめん……」
 こんな椎奈さんもかわいいと思う。


 そんなこんなでパートナーを探しているわけだが。ぜんぜん見つからない。
 なず子さんはジェイスさんと出るらしいし、緋眼さんも天色さんと一緒だろうし、彩花さんとは一緒にいるよりも試合してたほうが楽しいし、ケイトさんはイタリアだ。ひとみんさんは……恐いし。
 真木君? 論外論外。ってか、プレイヤー同じだし。無理だって。
「綾さんは?」
「綾さん? あー、あの人はヴァレンさんと一緒だから、うん」
「……?」
 綾さんに対しては、アリスは結構安心できるらしい。まあ、綾さんだしね。何かわかる気がする。
 ま、いっかなぁ……無理して出る必要もないし。アリスに必要以上に心配かけるわけにもいかないし。
 そんなわけで、最初はあんまり乗り気じゃなかった。


 その日は病院に行く日だった。
 帰り際、中学生の日野君に声をかけられた。
「なぁ、先生。カズキのオッサンっていつ来るのさ? 今日も来てねえんだけど」
「こら日野君。オッサンなんていっちゃダメでしょ」
 私のバイト先は、孤児などの家で面倒を見切れなくなった子供たちがいっぱいいる。日野君も家庭の経済状況も原因で両親に見捨てられていた子だ。
 高杉さんは、たまに子供たちの相手をしてくれる。カズキ君も正式に高杉さんの子供ってコトになって、たまに預かるコトもある。だけど……その高杉さんが、カズキ君を預けたまま失踪した。21回が終わってから姿を見た人が誰もいない。
 高杉さんに限って、カズキ君を見捨てたなんてコトはないと思うけど……日野君も、高杉さんのコトは信じているのだけれども、根本的に「親」という存在は信じていないらしい。
「でもよぉ……カズキ、かわいそうだよ…」
「うん……そだね……」
 今のカズキ君を見ているのは、正直痛い。


 真木君に言わせると、私のサウスポースタイルは無理があるらしい。まあ実際、付け焼き刃だったし。
 2回目のTFTに出たころからサウスポーを使い始めた。
 私はもともと左利きだし、組み手よりも打撃を重視するのだったら問題はないと思ってた。
「……全然直ってないよ」
「はぁ……」
 サウスポーに切り替えたのは、左脚が原因だった。
 今まで試合で一番よく狙われたのが左膝。ジェイスさんやブルースさん、来露さんにはローキックで。この前の武神降臨では関節技で。……何よりも、一番効いたのは彩花さんに蹴られた時……あの時は関節を狙われたわけじゃないけど、痛みが響いた。
 左半身を後ろにする構えなら、左脚を狙われにくくなるとは思っていた。それはそうかもしれないけど、実行するのが少し遅すぎた。
「……やっぱり、メスを入れたほうがいいと思う。この膝は……もはや日常生活に支障をきたすレベルだよ」
「……」
 メスを入れる……
「今のままだと走るのも辛いんじゃないのかい? ……いくら格闘家でも、リングの上だけが生きる場所じゃないんだ。日常だってある」
 WEPWの先輩から聞いたコトだけど、メスを入れた格闘家が復帰するのは極めて希なケースらしい。


「そう……そんなに酷かったんだ……」
 薄々アリスは気付いていたらしい。夕食の時に全て白状してみた。
「ま、しょうがないよね。……どうせこれから受験もあるし、ちょうどいい時期かなーって……」
「そう……」
「……へ、ヘンな言い方だよね、引退って。デビューもしてないのにさ、アハハハ……」
 結局、WEPWでのデビューをする前に、やめるコトになってしまった。
 榎さん達にはお世話になったけど……
「……まあ、試合が目標で練習してたわけじゃないしね……私はもう、満足だよ。ひとみんさんや緋眼さんと一緒に練習して、彩花さんや紅林さんと試合して、綾さんやなず子さんやレナさん、椎奈さんと知り合えて……それでよかったと思うの。あ、真木君に負けっぱなしなのだけは癪かな。あと、1回でいいからグラッツさんに言うコトを聞かせたかった」
 思えば、本当に色んな人と出会ったもんだ。
 もしかしたら、学校で知り合った友達の数よりも多いかもしれない。
「だから、さ。これからはもう、心配かけないから……試合ではね。学校ではアレだけど、成績とかで心配かけちゃうかなー、何て」
 ちょっと、無理して笑ってみた。
 アリスも、私がもう怪我とかしないからだろうか。
 ちょっと無理して、笑ってくれた。


 というわけで。
 本当は、もう試合はしないつもりだった。当然、GOFも出ないつもりだった。だけど……そう言う訳にもいかなくなってしまった。


「こんばんわ〜光太郎さんいます? ……って珍しいなぁ」
 和泉さんがいないのはよくあることだけど、この日はホントに人がいなかった。
 いたのは……顔にメイクを施し、やや派手めの衣装を来た人。ヴィジュアル系バンドの関係者の人にいそうだけど、少し違う。
 ……見知った顔だ。
「おや……これはこれは、お久しぶりですね」
「お、お久しぶりです……ジェスターさん」
 影武神でみた時のような派手な衣装ではなく、比較的普通な(っていっても、十分目立ってるけど……)服装のジェスターさん。
「彼になにか用でも?」
「あ、えーっと……探偵さんに依頼をしたいなーって……そ、それより、他に誰もいないんですか?」
「いないですね。今日は……定休日、ですね」
「あ……そっか」
 少し、気まずい雰囲気。
 光太郎さんは探偵だ。もしかしたら、高杉さんの居場所を調べてくれるかもしれない。それに、ここに来る人なら、高杉さんを見ているかも……
 最初は電話で話すだけの予定だった。だけど、光太郎さんは直接話したほうがいろいろわかりやすいって、わざわざ会ってくれると言ってくれた。
 で、他にも高杉さんを知ってるかもしれない海影で待ち合わせしたんだけど。
「……あのぉ……定休日になんで、ここに?」
「存在の確認……ですね」
「……?」
「ええ……まあ、大袈裟に思う必要も無いでしょう。ふらりと立ち寄った、それでも結構です」
 そういうと、どこからともなくジェスターさんはタロットを取り出す。
 ……見た目はそうだけど、実はタロットなんて生易しいものじゃない。「キラーカード」と呼ばれる、特殊な武器だ。
 イヤな予感がして少し身を引く私……だけどジェスターさんは別に何をするわけでもなく、鮮やかな手つきでカードを1枚取り出す。
「逆位置の「審判」。……どうしました? 人脈ぐらいしか取り柄の無い貴方らしくもない。引き離される、別れる…と言ったところでしょうか?」
「……ええと……」

「……なるほど。そういう事でしたか」
「はい……で、ちょっと困ってて……」
「いえ……そういう事、と言うのはこちらの話ですよ、フフ……ほら、来たみたいですよ」
 外からは排気音。結構大型の……多分、光太郎さん愛用の、サイドカーつきのハーレーだ。
「♪ドゥフフ〜ン、オレはハードボイルドたんてい〜、シャバダ〜♪」
 ……鼻歌……。
「フフ、始めまして」
「こ、こんばんわー。呼び出しちゃってすいません」
 あらかじめ光太郎さんには、少し事情を説明しておいてある。
「えーっと……お願いできそうですか? 高杉さんのコト」
「俺に調べられねえコトなんてないぜ。任せな!」
「ホントですか!?」
「……っていいたいところだが……金はあるのか?」
「あ、えーっと……」
 お金なんてもってない……TFTとかで稼いだ賞金は、エノキさんの手元にあるか孤児院に寄付した分なので残っていない。
「今すぐには……用意できないかな……」
「そっか……じゃあ引き受けられねえな。こっちもプロだからな」
「そ、そうですか……」
 少しは残しておけばよかったと思った。我ながら、情けない。
「……今すぐじゃ無くってもいいぜ。出世払いってヤツでもな」
 そういうと、光太郎さんは雑誌を私に手渡す。付箋つきだ。
「これは……?」
「もうすぐGOFがあるだろ? ……賞金、そこでもでるだろ」
「わ、私、怪我で……」
 そういいつつも付箋のついたページをめくる私。
「やっぱヴァレンタインのチームがイカすよな。……パートナーも厄介そうだしよ」
 ……綾さんのコトかな?
 言われて、パートナーに目を移す私。
 ……そこにあったのは、高杉さんの顔写真……だけど名前は……「高杉カヲル」ではない……
「薬袋アラミ、だってよ。どんなヤツなんだろうなァ」
「光太郎さん!」
 まさかわざわざ、このコトを調べて私に教えてくれたのだろうか。
「俺は忙しいんだ。GOFのパートナーなら他にあたってくれ。受付の時間、残りはそんなに無いゼ」
「……ありがとうございます!」
「っと仕事の時間だ、じゃあな、あばよ!」
 そういうと、光太郎さんは店を出ようとした。
「金ができたら連絡しな。また会おうぜ!」
 ビッとポーズを決めてながらそう言うと、光太郎さんは去っていった。

 ……。
 ベタベタだ……。
 ベタベタだけどカッコイイぞ、あの人……。

「さて……探し物は見つかったようですね」
「いえ……まだ……」
「?」
 不思議そうな顏をするジェスターさん。
「……アリスを説得しなきゃいけないし……パートナーも見つけなきゃ……」
 今になって後悔した。もっとしっかりパートナー探しをしておけばよかった。
 あてが無い。パートナーになってくれそうな人は、大抵無理がある。
 今の今までいた光太郎さんにも断られて……今の今……
「……ジェスターさん……お願いが……」
 よく考えたら。
 今の今。目の前にいるのは……影武神で猛威を振るった人……
「何か?」
「GOFに……私のパートナーとして、一緒に出場してください……お願いします。ジェスターさんなら……頼りになります」
「……私の力が必要……そういう事ですか?」
「はい……お願いします!」


 そんなわけで。
 私は、考えられる限りでは最強のパートナーを手に入れた。
 ひょっとしたら最後の試合になるかもしれない舞台で……


 カズキ君……待っててね! 絶対に、お父さんを捕まえてもう一度迎えに行かせるから!


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