GURPS FAQ (BASIC:有利な特徴)

GURPS FAQ (BASIC:有利な特徴)

(回答者は特に明記がない場合は友野詳です)

今月の記事 2002年7月
Q.特徴の「記憶力」についてなのですが、精神技能に消費されるCPが倍の扱いになり、呪文の場合はさらに+1/+2のボーナスと言うことなんですが、ええと、知力が11で、魔法の素質が3LVとして呪文に、0.5CP消費したとすると技能LVは12で、さらに+1/+2ということでしょうか?

A.すいませんが、間違っておられます。「さらに」ではありません。呪文の場合は、使ったCPを倍にする効果が「なく」、単にプラス修正があるだけです。ちなみに呪文には最低1CPを消費しなければなりません。知力11で「魔法の素質3レベル」「記憶力1レベル」のキャラが1CPを費やせば、その呪文の技能レベルは(至難でないかぎり)「知力−2」に1をくわえるので12です。


2002年4月
Q.ドラゴンマークに限らず、TL8が20CPなのは安過ぎませんか?

A.TL8が20CPなのではありません。舞台になっている世界より、+1されたTLの品物が入手できるコネがあることが20CPです。TL1なら、鉄器が入手できるコネがあることが20CPです。


2002年4月
Q.「後援者/ドラえもん」の特徴は総計15CP(一応TL7〜の住人)の人間にとって何CPになるでしょうか?

A.本人のCP総計に関わらず、後援者のCPはルール通りに決めればいいと思いますが。600CPのキャラにとっても、15CPのキャラにでも、きわめて特殊な設定の、特殊な装備を支給してくれる後援者ですから基本が40CP(特殊すぎるから50CPくらいかも?)で、あとは登場頻度で決めることになるでしょう。


2002年4月
Q1.特徴「共感」「第六感」「直感」は、いずれも「知力判定に成功すれば……」とされていますが、「おつむはイマイチだが動物的カンの鋭い戦士」や「幼く愚かながらも人の心を察することに長けた少年」というキャラクターはフィクションにはよく登場します。「共感(または第六感や直感)にしか適応されない知力」は1点あたりどれほどのCPが必要になるでしょうか? 世界観による、ということであれば、友野先生のルナルではどれほどに設定しますか?(それとも許可しませんか?)

A1.はい、許可しません。そういうのが登場するフィクションが再現したいとおっしゃるんでしたら、独自にルールをお作りください。
 そういうのは、知力ではなくて感覚判定(鋭敏感覚で修正)にしてみるというのも一つの例です。経験からくるもんだったら、技能を作るのもいいと思いますが。『ガープス百鬼夜翔』の265頁「知覚力と意志力」も参考にしてください。
 大変申し訳ないことですが、お寄せいただく「追加して欲しいルール」「これはどのくらいのCPになるか」という質問に全てお答えしていると(答えれば答えるほど、希望は増えていきますでしょうし)、他になにもできないくらい時間が持ってかれてしまいます。あしからず、ご容赦ください。


Q.A国とB国は対立しています。A国で名声+修正のキャラクターは、B国では逆に名声が不利な特徴となりかねないとします。そんなとき、このキャラクターは国境をこえたらCP総計が変化するのでしょうか?
 キャンペーンシナリオの都合で、いままでA国でいくつかシナリオをこなしてきましたが、今後は当分B国編になる。そんな場合です。
 一般にGURPSでは、腕を切られるなどCPが減る場合は普通に減り、逆に再生魔法をかけてもらえたなどCPが増える場合は、魔法の他に更にCPを稼がないといけないですが、こういう時CPはどうしたらいいのでしょう?
 このキャラクターはAからBに移動するときCPを失い、BからAに戻るときは名声分のCPを払わないと名声をAで再び発揮することはできないのでしょうか?

A.B国に行ってもA国での名声が失われるわけではないでしょう。対立している国でのわるい評判は、新しい不利な特徴として与えて、CP総計を減らしっぱなしでいいと思います。最初からとっているのでなければ、A国じゃ英雄でも、B国に行くと誰も知らないでもいいと思いますが。お話の設定上で必要なら、悪名をA国での評判とは別に与えてあげてください。


Q1.「鋭敏聴覚」に『金の落ちる音だけ』とか、『人が聞かれたくないことだけ』とかいうくだらない限定をつけたら、レベルごとに1CPになるのですか?

Q2.妖魔夜行やルナルに限らず、「容貌」「名声」「カリスマ」などの有利な反応特徴に「被虐美だから敵対士気と援助要請は逆にマイナス」「同性には0以下」「異性にだけは異常に好かれる」「同性しか惹きつけない」といった増強や限定を施せますか?

A1.ふつうの特徴に、限定はかけられません。ギャグ調世界でのガープスを遊ぶなら、GMの判断であってもいいでしょう。『妖魔夜行』の妖怪キャラクターなら、妖力として持っているかもしれませんが。まあ、たまにサンプルキャラやNPCで、反則かましているのもいますけど。

A2.これも、ふつうはできないと思います。けれど、そういうことが可能な世界であるとGMさんがお決めになったなら、できてもいいと思います。それぞれのGMさんがCPの増加率、減少率を決めてください。思うに、ロマンスやらラブコメやらをメインに遊ぶという世界を舞台にする時だけにしたほうが、雰囲気がばらばらにならずにすむと思います。
 ただ、そういう効果が出るように、カリスマ、名声、容貌などを適当に組み合わせるやり方もあるのではないでしょうか。


Q.名声などの特徴を取るとき、CPの端数はどう処理するのですか? 基本的に必要CPが多くなるように(2.5CPは3CPに、−2.5CPは−2CPに)するのでしょうか?
A.基本的には繰り上げです。繰り上げというのは、大きい数字のほうにあわせることと定義しておきます。つまり、おっしゃる通りの処理なのですけど。


Q.名声を、良い名声と悪い名声をセットにして0cpの特徴、とすることはできますか?

例えば、ねずみ小僧なら、
「良い名声:貧乏人、社会的弱者:+3」
「悪い名声:金持ち、為政者:−3」
をセットにして
「ねずみ小僧の名声:0cp」とするとか・・・。

いや、ねずみ小僧は正体ばれたら困るんだけど。
ロビンフッドみたいな義賊や、嫌な貴族を再現したいとき、これができたら(cpが)楽なんですが。

A.すいませんが、これらはやっぱり別々の特徴として獲得していただくのが妥当だと思います。


Q.すごく仲のいい五人組がいて、それぞれを「ほぼいつでも」登場する仲間として設定しました。(使用CP60!)
 彼らのCPが最初100だったとして、誰かのCPが101になった途端仲間のCPの再計算が連鎖的に起こって全員のCPが無限大になるという実にどうしようもない事態が発生します。
 現時点でこれを防ぐような手段は存在しますか?

A.誰がそういうキャラを使うんだって気もしますが、ルール計算上の穴なので、ないでしょうね。私なら、そんなキャラは認めません。4人全員をそのプレイヤーが完璧に管理して、ロールプレイも演じわけてくれるというなら試しに使ってみるでしょうが(で、やっぱり無理だったなって却下させてもらいます)。
 ただ、改版されたさいに追加された「特徴」に(完訳版には収録される予定ですが)、「仲間グループ」というものがあります。複数の仲間を持ちたいのなら、こちらを採用べきでしょう。簡単に紹介しておきます。

仲間グループ
 あなたは、忠実な仲間の集団を持っています。それぞれのメンバーは通常のPCより少ないCP総計で作られた者たちですが、力をあわせればあなたの大きな助けとなるでしょう。仲間グループはGMが管理します。必要CPはそのグループの強さと、出現頻度によって決まります。
 小グループ(2〜5人):10CP。
 中グループ(6〜20人):20CP。
 大グループ(20〜100人):30CP。

 仲間グループの各メンバーは通常75CPで作成してください。個々のメンバーを100CPで作成するなら、基本CPをそれぞれ10CP増しにします。100CPを越えるメンバーは、それぞれ独立した「仲間」として基本CPを計算します。

登場頻度
 ほぼいつでも登場する(15以下で登場):基本CPを3倍にします。
 たいてい登場する(12以下で登場):基本CPを2倍にします。
 ときどき登場する(9以下で登場):基本CPはそのまま。
 まれに登場する(6以下で登場):基本CPを2分の1にします。

 仲間グループのメンバーが冒険の途中で死んでしまったときには、補充人員が入ってきます。極めてひどい待遇をしたときには、PCと仲間グループの結びつきはなくなってしまいます。「仲間グループ」の特徴とそのぶんのCPは失われます。
 もしPCが仲間グループと平和裏に別れたときには、CPは失われません。その「仲間グループ」のCPは別の「仲間グループ」を獲得するために費やしてもかまいませんし、仲間グループの1人を「仲間」として登場させるために費やしてもかまいません。

 特に記述はないのですが、おそらく仲間グループのメンバーはほとんど成長しないのでしょう。あるいはいくらか成長するごとに(25CPくらいが適当でしょうか)基本CPをプラス10してゆけばよいのでは?


Q.今製作中のキャラクターに特殊な背景をつけようと思っているのですが.「先祖の記憶を引き継ぐ」という「背景」は、どの程度のCPを必要としますか? 御教授下さいませ。(この場合、先代のキャラクターが培ってきた技能、すなわちCPは累積するものとしたいと思っています)。

A.すいません、私にはわかりません。それは非常に特殊なものなので、そもそも、冒険を行なおうとしている世界に、そういった存在が許容されるのかどうかが問題になると思います。もし、それが許される世界であるというなら、世界を設定した方が定められる問題であって、一般的なガープスのこととしては、判断が不可能です。これって、(キャラクターとしては)事実上の不死ですから。


Q1.「幸運」のダイス修正は3Dによる技能判定や抵抗判定以外にも使えますか? 例えば命中後のダメージを決めるとき、クリティカルの効果を決めるとき、恐怖症の結果を決めるとき、などです。
 また職業の収入を決めるときなど、長時間の影響を一回で判定するとき、魔化や錬金術などの結果には有効ですか?

Q2.「幸運」の使い方は
(1)サイコロを振る前に「幸運」の使用を宣言→サイコロを3回振れる。
(2)判定に失敗→「幸運」使用を宣言→あと2回サイコロを振れる。
のどちらで行うべきでしょうか?

A1.幸運でふりなおせるのは、基本的には技能や能力値判定の出目だけです。長い期間がかかる行為の判定も、使えないとしたほうがいいように思います。おのおののGMさんが、独自のルールとして認めなさるならかまいませんが……まあ、おやめになったほうが無難ですかね。

A2.基本的には(2)です。以前は(1)で統一していたのですが、完訳版の翻訳の際に(2)が正しいということになりました。


Q1.技能に使用するcpは、0.5cp、1cp、2cp、4cp・・・と消費しなければいけないものでしょうか?
0.7cp、1.5cp、3cp、5cpと消費するのもありでしょうか?
その場合、0.7cpは0.5cp、1.5cpは1cp、3cpは2cp、5cpは4cp分しかcp消費の効果を得られないものとして。なぜなら、次の条件までcpを満たしていないからです。
「GURPSベーシック」p263を見ると、「200時間の学習が1cpの経験に等しくなる」とあります。
だとしたら300時間(1.5cp)の学習はありなのではないでしょうか?

こういうcpの使い方がありだと「記憶力」を持っている場合に変わってくると思います。3cp消費を有りとするか否か。
この概念がどうなっているかお答え頂けると幸いです。

Q2.また、1/4CPや1/8CPと消費するのはありでしょうか?
 「記憶力L1」を持った私が(精神/並)の技能を修得する際、1/4CPを費やして「知力−2」で習得する事は可能でしょうか?

A1.記憶力を持っている場合、本来なら6CPの消費しなければいけないところを、半分で3CP、四分の一で1.5CPを消費するだけですませる、といった形はかまわないでしょう。そうじゃない場合は、中途半端に消費しても意味がないので、しないと思いますが。

A2.明記はされてなのんですが、やっぱり最低0.5CPはわりふらないといけないのではないかと思います。ただ、何がなんでもだめだとは思わないので、GMさんと相談してみてください。GMさんがいいとおっしゃったなら、かまわないと思いますよ。


Q.「記憶力」は錬金術に対してもCP2倍、4倍になりますか? それとも魔法同様レベル+1、+2ですか? 錬金術は冒険中使うのは難しいのですが、一応、PCのエリクサの量産能力を知りたいです。

A.普通に適用していいと思います 。あまりに濫用されるなら、GMさんは独自に制限をかけていいと思いますが。


ガープスの質問、というより愚問でまことに恐縮ですがお付き合い下さい。
(かっこ内は代筆者のつっこみです)

Q.「記憶力」の精神技能レベルへのボーナスについて、以下の技能に適用されるか。
 a.芸術系技能
 b.運動系技能の<呼吸法>や<潜水>
 c.この分野において「秀才」と呼ばれる者はいないといわれる(本当か?)<戦術>
 d. ルナルの場合、ウィザードの<天使>の召喚&封印、ギャビットの<雄叫び>など

A.通常の精神技能に、とある以上、適応してかまわないでしょう。いちいち設定していては煩雑になりすぎますし。もちろん、労をいとわないGMとプレイヤーが、合意のもとに特定の技能には影響なしとするのは自由です。特にオリジナル世界の場合などは。


Q.「鋭敏感覚」は、くすぐられてそれに耐える時などにペナルティーとなったりするんでしょうか。

A.触覚は含まれていないようなので、たぶん大丈夫だと思いますよ。


Q.以前(98年11月のガープスQ&A)の質問「妖力「防護点」は、目にもあるのでしょうか?」に対し「生来の防護点は目にもあるとお考え下さい。とっさに目をつぶってまぶたで防ぐということで。強引にまぶたを開いたままにできるなら、なしでもいいかも」
 と答えられていたのですが、「頑強」も、瞼に防護点を加えてもいいのでしょうか? 妖魔夜行142頁には、「「頑強」の特徴と同じです。」とかいてありましたので・・・。加えていいとすると、瞼が頭蓋と同程度の防御能力を持つという怖い人間ができてしまうので、加えられないとは思うんですが・・・。

A.「頑強」は皮膚だけでなく、筋肉とか皮下脂肪まで含めての防護点だと思いますので、なしにしといてください。妖魔の場合でも、キャラクターのイメージによっては、あえて目には防護点がないことにしてもかまいません。


Q.追加疲労点はありますか? あるとしたらCPはいくつですか?

A.完訳版で有利な特徴として追加しました。「追加疲労点」1点につき3CPです。
ただし、使用にはGMさんの許可が必要になります。