―追加ルール(戦闘時)―

ここでは戦闘に関する様々な追加ルールを提唱します。
 なお、★がついているルールは使用を推奨しているルールです。


足場による修正

 ベーシック完訳版P144のサイドバーに足場による修正が記されていますが命中判定には一律で−2の修正となっています。
 しかし足場によって行動のしやすさと言うのは変わってくるものでしょう、そこでここでは足場による修正を再定義します。
 これは【足運び】で軽減することが出来ます。

泥・ジャングル・船上・水場(足首くらい):
 多少足場の悪い場所、例えばぬかるんだ泥やジャングルの場合は命中判定に−1のペナルティがあります。
 また、移動力が1点低下します(【避け】には修正なし)

水場(くるぶし)・雪(足首)・ゆれている船上・砂場:
 足場の悪い所、砂地や足首まで雪に埋まる場所は命中判定に−2のペナルティがあります。
 また、移動力は半減し【避け】も1点低下し後退も不可になります。

嵐の船上・地震中:
 足場が大きく揺れている場合、命中判定に−4のペナルティがあります。
 また、移動力は半減し【避け】も1点低下し後退も不可になります。
 毎ターン敏捷力判定を行い失敗すると転倒してしまいます。

雪(くるぶし)・水場(膝上):
 移動すらままならない場所、例えばくるぶしまで雪に埋まっている場合などは命中判定に−3のペナルティがあります。
 また、移動は移動力にかかわらず1へクスしか不可能で、移動した後に攻撃する場合は大振りになります。
 勿論後退は不可で【避け】は2点、それ以外の能動防御も1点低下します。

雪(膝上):
 膝の上まで埋まってしまうような雪場などでは命中判定に−3のペナルティがあります。
 移動は移動力にかかわらず1へクスしか不可能で移動した後に行動は出来ません。
 勿論後退は不可で【避け】は2点、それ以外の能動防御も1点低下します。


1ターンの長さ

 GURPSにおいて1ターンは1秒として定義されています。
 しかし、どう考えても1ターンを1秒としてリアルに処理するは不可能です。
 そこで1ターンは具体的に何秒と定義をしないアナログ処理で行うこととします。
 もしも時間が必要な場合(呪文の維持など)は1ターン=1秒として処理しますが実際の長さは少なくとも3〜5秒はあるでしょう。


★荷重による行動の阻害

 重い装備をしていれば移動力だけでは無く運動能力も低下します。
 そこで荷重修正は敏捷力にもかかるものとします。
 これは【荷重戦闘】で軽減することが出来ます。


騎乗戦闘中の攻撃

 ベーシック完訳版P174より騎乗戦闘に関してのルールが紹介されています。
 しかし、武器にも動作などの概念があるGladiatorではこのルールでは扱いきれない部分も出てきます。
 そこで、騎乗戦闘の攻撃に関しては以下の通りにします。

 もしも【騎乗戦闘】が<武器技能>よりも低い場合、命中判定に「<武器技能>−【騎乗戦闘】」だけのペナルティがかかります。
 また騎乗している動物が1ターンに6メートル以上移動した場合、白兵武器の命中判定に−2のペナルティがかかりますがダメージが+2されます。

 騎乗戦闘中に白兵武器を使用する場合は射程が−1されてしまいます。そのために射程がCのみの武器を使用することは出来ませんし射程が1距離の武器を使用するのも難しいでしょう。
 また、基本的に片手は手綱を握らなくてはならないために両手持ち武器も基本的に使用できません。
 ただし、一直線に馬を走らせる場合に限り、ターンの開始時に<乗馬>判定に成功し続ければ両手持ちの武器を使用することが出来ます。
 この<乗馬>判定に失敗した場合は体勢を崩してしまい次のターンの行動で体勢を立て直すまで能動防御に−2の修正がかかります。もしもファンブルした場合は落馬します。 

 動作に関しても高い位置にいることになるので切り上げる軌道の動作、そして細かい部位を狙う動作は使用できません。
 防御動作も大半が使用不可能になるでしょう。

 具体的に使用できる動作は以下の通りです。
 全基礎系動作、【武器落し】を除く補助系動作、【受け】、【避け】、【切り下ろし】、【切り返し】、全状況対応動作


★技能レベルの制限

 GURPSにおいては技能レベルが高ければ高いほど有利になります。
 しかし、だからといってみんなで戦闘技能レベルのインフレを起こすと能動防御も上昇するため戦いは長引きがちになります。
 また、現実面で考えてもこれは問題です。

 そこで技能レベルが16以上のキャラクターは「(技能レベル-15)×5CP」だけ『名声』か『特殊な背景』にCPを支払わなくてはなりません。
 これは一部を『名声』、一部を『特殊な背景』に費やしてもかまいません。
 例えば技能レベルが17のキャラクターは「(17-15)×5CP」で10CPだけ『名声』か『特殊な背景』にCPを支払わなくてはなりません。
 これを『名声』に5CP、『特殊な背景』に5CPというように費やしてもかまわないわけです。

 この制限は最も高い技能のみを対象とします。


★攻撃オプション

 GURPSにおいては動作を用いない限り、攻撃は全く同じ攻撃として扱います。
 動作を導入しない限りは戦士は同じことの繰り返しとなるわけです。
 またGURPSは防御に成功しやすいということもあり、クリティカルが出るまで延々とダイスを振り続けるという状態もよく起こります。

 お互いにこれでは戦闘の緊張感もありませんし、戦士も退屈になってしまいます。
 そこで攻撃を状況によって使い分けれる攻撃のオプションを追加するルールを提唱します。
 なお、このルールは動作と併用してもかまいません。

 ちなみに、このルールは「鋭く、鋭く、正確に攻撃」という様に併用して構いません。
 以上の場合は「相手の能動防御−2で自分の命中目標値−4」の鋭い攻撃と「命中目標値+2ダメージ−1」の正確な攻撃を組み合わせたもので最終的には「相手の能動防御−2、命中目標値−2、ダメージ−1」となります。

・鋭い攻撃
 鋭い攻撃で相手の能動防御を落とします。
 命中目標値を−2するごとに相手の能動防御に−1の修正を与えることが出来ます。
 ただし相手の能動防御に与えられるペナルティの上限は「敏捷力/4」までとなります。
 鋭い攻撃を行うと「相手に与えた能動防御修正÷2(端数切り上げ)」だけ次の自分のターンまで自分の【受け】が低下します。

・重い攻撃
 重い攻撃で威力を上げます。
 相手の能動防御を+1するごとにダメージが+1されます。
 ただし上昇させられるダメージは「体力/4」までとなります。
 重い攻撃を行うと「相手に与えた能動防御修正÷2(端数切り上げ)」だけ自分の"能動防御"が低下します。

・正確な攻撃
 正確な攻撃で命中精度を上げます。
 ダメージを−1するごとに命中目標値を+2することが出来ます。
 ただし上昇させられる命中目標値は「知力/2」までとなります。
 正確な攻撃では能動防御は低下しません。


★衝撃の効果の追加

 現ルールでは衝撃は防御に修正を与えませんがそれも不自然な話でしょう。
 そこで能動防御が"衝撃"の半分だけ低下するものとします。


衝撃を意志で耐える

 ダメージを受けた際に"衝撃"を受けますが、この効果はかなり強力です。それを無効化するために「我慢強さ」と言う特徴がありますがしかし逆にこの特徴の価値は10CPにしては高すぎます。
 また、基本的に意志の強いものならばこの衝撃を意志である程度軽減できるのではないでしょうか?

 そこで"衝撃"を受けた場合即座に意志判定(衝撃による修正を加える前)をし、成功すれば[(生命力+意志の強さ−意志の弱さ)÷3]だけ衝撃を軽減することが出来るとします。


素手で刃物を受ける

 現ルールではあらゆる素手技能で刃物を受けることが出来ますが、やはりそれはいささか不自然です。
 そこで空手と柔道以外の素手技能では刃物を受けることが出来ません。
 空手と柔道に限り[−3]の修正で受けることが出来ます。


素手で武器を受ける

 刃物について定義したので刃物以外の武器に対する受けも定義します。
 空手と柔道以外の素手技能では刃物以外の武器を受ける際に[−3]の修正があります。
 空手と柔道に関しては[−1]の修正で刃物以外の武器を受けることが出来ます。


素手攻撃を武器で受ける

 素手による攻撃を武器で受けた際の処理を変更します。
 ダメージ型が"叩"か"刺"の武器に受けられた場合は防護点が3以上の無生物を殴った場合と同じ処理をします。
 ダメージ型が"切"の武器に受けられた場合は"攻撃側の基本致傷(突き)"と同じだけの切ダメージを手首に受けます。


戦闘技能と精神鍛錬

 戦うことはとても怖いことです。
 人を殺すことはとてもつらいことです。

 ただ、戦いでのみ鍛え上げられた術はすぐに道を誤り崩れてしまいます。
 力を持つものは、己を律しその力を御する術を身につけないとその力を真に発揮することは出来ないのです。
 武道の世界においては、このように自分を律する精神の鍛錬も重視されます。
 ここではそういった精神鍛錬のルールを提唱します。
 戦闘技能の上限を「<哲学>、<神学>、<瞑想>のいずれかの技能レベル+4」か「12」の高いほうまでとします。

 これを超えて戦闘技能を習得することも出来ますが、その場合は[制限を超えてしまった分のレベル×10]CP分の不利特徴を得ます。この不利特長によりCPを稼ぐことは出来ず、CP総計が低下します。
 これにより得る不利特徴は「残忍」「自信過剰」「暴れん坊」「悪い名声」等がふさわしいでしょう。


★動作を特徴で再現する

 動作の概念が入ると少し複雑になります。
 そこで動作を動作ではなく特徴の一種として習得するルールを提唱します。
 この「動作代替特徴」を参照してください。


得意な武器

 一つの武器を使い込めばその武器の扱いが得意になるでしょう。
 特定の技能で扱える武器のうち一つを選んで、得意武器として指定した場合その武器による命中判定に+1のボーナスがあります。
 ただしその分他の武器の扱いはおろそかになるので他の武器でその技能を扱う際には技能レベルに−1のペナルティがあります。(命中判定ではないことに注意してください)
 一つの武器しか扱えない技能(ルナルの<ソードブレイカー>等)の場合はこのルールを使用することは出来ません。
 得意な武器を表記する場合は専門化と同じく<剣/ブロードソード>と表記してください。


★フェイントと見切り

 【フェイント】の見切りに使用できる値は【見切り】、敏捷力、知力とします。
 戦闘技能の代わりに【見切り】が入り、そして知力が追加されました。


負傷による朦朧を耐える

 現在、一撃で喰らったダメージが生命力の半分を超えた場合自動的に朦朧となってしまいますがこれではすぐに朦朧となってしまいます。
 また負傷した場合は衝撃もあり、それは能動防御にも修正を与えるGladiatorのルールにおいては危険です。

 そこで一撃で喰らったダメージが生命力の半分を超えた場合生命力判定をし、失敗した場合に朦朧状態になるとします。この判定に意志の強さなどのボーナスは入りません。


★防御呪文の改定

 現在防御呪文は能動防御に対する修正を全く受けないことになっています。
 しかしイメージ的にもゲームバランス的にもこれは問題なので以下の様に定義しなおします。

 防御呪文は1ターンに使用出来る回数に制限は無い、しかし呪文の集中を行っている場合は集中は途切れてしまう。
 また、防御呪文は能動防御の修正を受けるものとする。
 ≪瞬間回避≫は【避け】、≪鉄の腕≫は【受け】の一種として扱う。≪瞬間防御≫は呪文ごとに適に判断すること。
 また、防御呪文は最低1点は必ず疲労するものとする。


本来よりも近い間合いで武器を使用する

 例えば、その武器の間合いよりも近い間合いで武器を使用することになった場合その武器はまったく使えないのでしょうか?
 ゲーム的に考えれば出来ないでしょうが、しかし実際に本来よりも近い間合いで武器を使用する術は存在します。

 そこでここでは本来よりも近い間合いで武器を使用するルールを紹介します。
 まず、攻撃距離が一つしかない武器で無い限り本来よりも近い間合いで使用することは出来ません。(つまりブロードソードは攻撃距離が1だけなので使用できますが、バスタードソードは1、2と二つあるために近い間合いで使用することは出来ません)

 また、致傷力で突きを基準とする攻撃は短い間合いで使用することは困難なのでこれも本来よりも近い間合いで使用することは出来ません。

 以上の使用できない条件に当てはまらない攻撃は本来よりも1距離だけ短い間合いでも使用することが出来ます。
 ただしダメージに−2、命中に−4のペナルティがかかります。(これはC距離の修正と重複します)


★両手に武器を持つ場合

 ガープスにおいて両手に武器を持つことはほとんど意味がありません。
 かといってマーシャルアーツに載っている【二刀流】と言う動作はマンガ動作であり、現実の二刀流と違うものです。

 そこで両手に武器を持った場合のルールを提唱します。
 まず、両手に武器を持つ場合逆腕には基本的に大きさが短剣以下のバランスのいい武器でなくてはなりません。
 【受け】は両腕でそれぞれ一回ずつ行うことができ、両手に武器を持っている場合は【フェイント】と逆腕側の【受け】に+1の修正を得ることが出来ます。
 ただし、逆腕で扱う武器は逆腕の修正が入るので【逆腕訓練】を所持していないと【受け】の値もかなり低くなってしまうでしょう。


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