Gray RoomN◎VA>ハウスルール


 何度も繰り返しているがN◎VAはフレーミングの甘いシステムだ。つまり表現幅が広い一方で、RL判断によるところも大きいのである。

 Dにおいて表記の統一化などにより昔よりはフレーミングが固定され判定の可否などが分かりやすくなった。
 しかしDでは明記されていないルールも多い。一応GXDなどで追加された質疑応答において大きなバグは潰され、大半の疑問点は解決された。
 しかしそれでもまだいくつかのルーリングに関してはまだまだRL判断の余地がある。ここではそういったRL判断の参考になればと思いここでは僕のルーリングに関して考察をしていこうと思う。
 なお、文中にただ(P.○○)と表記されている場合はトーキョーN◎VAthe Detonationの基本ルールブックのページ数を刺す。


ルール裁定

アクションを失敗させるリアクション:
 基本的に範囲攻撃など複数を対象にしたアクションはここにリアクションを行わなくてはならないが、一部リアクション系特技でアクション自体を失敗させた場合はアクション自体が失敗するため他のキャラクターがリアクションを行う必要は無い。
 逆を言えば、これら以外のリアクションではアクションを失敗させることはできないため、個々がリアクションを取る必要がある。

 アクション自体を失敗させるリアクション系特技は以下の通りである。
 <※呪破><元力:生物><狂信者><※魔女の叫び><消沈><ポルターガイスト>

1タイミングでできる判定:
 ルールブックには直接明記されていないため間違いやすいが1つのタイミングで行える判定は1回のみである。
 つまり、R時代とはちがい複数回[ダメージ軽減技能]を使用したり、セットアッププロセスに複数回判定したりはできないので注意すること。
 これはGXDのP.174、質疑応答の「●特技▼タイミング」を参照すれば分かるだろう(質疑応答はGXDに掲載されているほか、「FEARオンライン」でもDLすることができる。本HPの「こちら」にも掲載している)

1タイミングで複数人が同時に判定した場合:
 機会は少ないだろうが、ダメージ適用の直前タイミングなど複数人が1つのタイミングで同時に判定することも存在する。そこで、ここでは複数人が1つのタイミングで同時に判定した場合の僕的な裁定を紹介する。
 複数人が同じタイミングで同じ対象に対して判定を宣言した場合、対象となるキャラクターの左隣のキャラクターから順々に宣言をし即判定を行っていくこと。これにより、相手が[ダメージ軽減技能]を使用した後に<障壁>などでデスナンバーを狙うなどということは行えないことになる。

装備を対象としたアクション:
 装備を対象にした(対象:装備の)アクションは事前に装備を<知覚>しておく必要があるとする。
 手順としてはキャラクター1人を対象に<知覚>の判定を行い、その達成値以下の隠匿レートの装備全てを認識することができる。そうやって認識して初めて装備を対象としたアクションが行えるようになるのだ。
 なお、既に手に持っているアイテム、防具、隠匿レートが「−」とのアイテムは判定不要で認識できているものとする。
 組み合わせのルールを用いれば<知覚>しつつ装備を対象にしたアクションを行うことも出来る。その場合のルーリングは以下のようになる。

<斬裁剣>+<知覚>:
 対象の持っている隠匿レートが達成値以下の任意の装備を破壊する。

<クラッシュ>+<知覚>:
 対象の持っている隠匿レート及び電制が両方とも達成値以下の任意の装備を破壊する。
 なお、対象はあくまで「装備」なので所持者にダメージを与える特技と組み合わせることはできない。

リアクション宣言の書き換え:
 リアクション宣言した札で障壁などが可能であることが質疑応答で示された(質疑応答はGXDに掲載されているほか、「FEARオンライン」でもDLすることができる。本HPの「こちら」にも掲載している)
 しかし、現状のルールでは表記が分かりにくいのでリアクション宣言のテキストを以下のように書き換える。
“このカードはリアクションの判定にのみ使用できる→このカードをベースアクションで使用することはできない”


ハウスルール

リアクションカードの未放棄:
 現状のルールでは先手をとって攻撃した場合、防御側がリアクションをとり続ければ常にアクションを行い続けることが出来る。ダメージ軽減技能の弱体化に伴い、リアクションの重要性が上がった現在これでは戦闘のバランスが取りにくい。
 そこで、ここではリアクション側も行動しやすいように以下のルールを提唱する。
 リアクションに使用したカードは判定の後に棄て札にせず表にしたままプロットし続ける。
 この札はあらゆる判定にも使用できず、また完全奇襲など余分にプロットを消費する特技の代償ともならないが、アクションランクとして数えることが出来る。
 この表のまま置かれている札はメジャーアクションを行ったメインプロセスの終了時、もしくはクリンナップフェイズに棄て札となる。


解釈が微妙な特技群

<元力(共通)>
 今までは<元力>を組み合わせればどれであろうともダメージは上昇した。しかし、Dになってこの効果は<元力>全体ではなく<元力(共通)>の効果へと変更された。そのため、<元力>でダメージを上昇させたい場合は<自我>を組み合わせなくてはならないことになる(<元力(共通)>の組み合わせは<自我>のみ)。
 なお、この効果と<元力>の効果は別途に発生するために<元力(共通)>を組み合わせて攻撃した後にさらに<元力:重力>でダメージを上昇させることは可能である。

<障壁><横槍>
 明記されていないため、[ダメージ軽減技能]として扱わない。つまり、<鬼の爪>や<毒舌>に対しても効果を発揮するとする。
 ただし、他のダメージチャートから派生したダメージでは効果が無いとする。

<ライドオン>
 どこまでの装備が[携帯判定]不要なのかを明記されていないため意見が分かれるところだが、僕は車両のみ[携帯判定]不要とする。
 理由として武装の[携帯判定]を行えると明記されている<ボンド・カー>が存在することと、[携帯判定]は必要となった瞬間に行うものであるからだ。(P.142の表記を若干拡大解釈したもの)
 なお、僕は<仕込み武器>などの「タイミング:メジャー」の[携帯判定]系の特技は事前に[携帯判定]を不要にさせるための特技として解釈しているのでこれらは以上の条件に当てはまらない。

<カマイタチ>
 特技欄のテキストの方が基本ルールよりも優先されるため、「射程:武器」の特技と組み合わせても中距離まで射程を延長することが出来る。中距離“まで”なのでもちろん近距離への攻撃も可能である。
 ただし、射程を“延長する”ので「焚書教典」などの「射程:近」以上の武器に使用しても至近攻撃への攻撃に用いることはできない。

<彫像>
 まず、彫像は“ダメージを与える代わり”に対象を動けなくする特技だが、これは“ダメージを与える”行為として扱う。
 具体的に言うと<フリーズ>などダメージを与える特技とは組み合わせれない特技とは組み合わせれないが、<旋風撃>などダメージを与える特技でないと組み合わせれない特技とは組み合わせれるということだ。
 なおP.117に「単にアクションと書かれている場合はメジャーアクションの事を指す」という表記と、リアクションが別に表記されていることからこの特技で行えなくなるのは「メジャーアクション」と「リアクション」のみとする。つまり、若干拡大解釈だが「マイナーアクション」は行えるものとする。
 なお、一回アクションを放棄して毒を回復する(P.123)のは「メジャーアクション」ではなく、「メジャーアクションの放棄」なので可能とする。

<ヴィジョナリー>
 ヴィジョナリーの際に持ち込める装備に関して、質疑応答で若干触れられているものの明確な表記が為されていない。
 そこでここでは僕的な解釈をさせていただこう。
 なおタップを除いた全ての装備は<ヴィジョナリー>では[携帯判定]を行えないので別途に行う必要がある。

 基本的に「IANUS」を除く「サイバーウェア」の持ち込みは不可能とする。ただし「部位:任意」のものはこの例外とする。
 また、「生態器官」も「部位:電脳」を除き全て持ち込みは不可能とする。
 これ以外の装備に関しては[携帯判定]さえ成功すれば持ち込んでいることにしてもよいとする。


特技の変更

<ドミネート>
 最後に以下の一文を加える。
 “ドミネートする装備の所持者がデジタルアクションの対象とならなくてはならない。”


達成値上限

 ルールブックP.140に掲載されているレギュレーションにおいて達成値上限は「どのような特技、装備、能力値を使用しても最大の達成値が何点になるのかをきめる」と表記されている。
 しかし、その具体的な処理に関しては明記されていない。この処理に関する解釈は現状以下の二通りの意見に分かれている。

紳士協定:
 どんな組み合わせをしても達成値が上限を超えないようにキャストを作成する方法。
 先に準備できる場合に用いられる方法で、経験上だとこちらがスタンダートのようだ。
 達成値が超えてしまうキャストは達成値上昇系のアウトフィットをアンインストールしたり、そのアクトにおいては特技のレベルを下げたりするのが一般的。
 ただし、準備する時間がないと調整が効かない場合があるというデメリットがある。

脚切り:
 ここではカードを足す前の達成値の値を判定値として表記する。
 どんなに高い判定値で判定するキャストでも、判定値の最大を「達成値上限−11」とする方法。
 どんなキャストでも参加でき、キャストを調整しなくてもアクトに参加できるので時間が無いときはお勧め。
 だが、得意な能力値と苦手な能力値の差異が出にくくキャラ表現がしにくいという難点がある。

 僕は当初は紳士協定だったものの、キャストの間口を広げるために達成値上限を求めている場合は脚切りを採用している。


達成値上限と補助特技

 達成値上限というルールが明確に定められた現在、<ジャンヌダルク>に代表される達成値上昇系特技による修正はどのように扱えばいいのかはなかなか難しいところである。
 そこで、ここでは一例として僕の裁定をあげさせてもらおう。

 僕がこの状況で採用するのは「達成値の頭打ち」である。
 つまりどれほど高い達成値を出しても、達成値上限を超えた達成値は達成値上限の値になるのである。

 先に挙げた達成値上限の脚切り制に近いが、この場合は判定値が「達成値上限−11」を超えてもかまわないという部分が違う。


Gray RoomN◎VA>ハウスルール

※トーキョーN◎VA the Detonationはファー・イースト・アミューズメント・リサーチとゲームフィールドの著作物です。このページはこれらの著作権を侵害するものではないことをあらかじめ書き添えておきます。