シナリオ作成講座―アンケート集計結果―
Gray RoomN◎VAサポートコラム

―アンケート回答者へのお礼に代えて―

 6/24から7/5までの12日間に渡り、当サイトではシナリオ作成に関するアンケートを行ってきました。
 多くの方々からご協力を戴き、なんと23名もの方からの回答を得ることができました。
 当初はメールでのアンケート呼びかけを行ってきたため、最初のメールがこんなアンケートのメールで失礼だったりはしないか?と不安だったのですが多くの方々が好意的な返信をくれたために非常に助かりました。
 アンケート内容も非常に興味深く、僕自身非常に参考にさせていただきました。
 本当に皆様のご協力に感謝します。


1.どのようなところからシナリオを考えつきますか?
 回答結果

 マンガや小説など、元ネタをベースに作成している人が多いという印象を受けた。ちなみに集計してみると9名(全体の37.5%)という結果だった。似たような部分では曲や歌詞、もしくは実際のニュースから作成するという人も多いようだ。
 一応推察できる範囲内で「シナリオ作成講座―シナリオのイメージを持つ―」で挙げた「シーン」、「テーマ」、「ゲスト」の三つに分類して集計した。なお、元ネタのみの場合はどのケースか分類しにくいため集計外としている。もう少し突っ込んだ説明があって推察できる場合はちゃんと集計しているが。
 全員が全員、一種類だけということはないため、1種回答を5点、2種回答を2点、3種回答を1点とした点数集計をあわせて掲載してみた。

「シーン」:
 17名(55点)

「テーマ」:
 12名(36点)

「ゲスト」:
 6名(12点)

 アクトの雰囲気というか、キーとなるシーンを思いついてそれをベースに膨らませて作っていく人が多いようだ。


2.アクトトレーラーやハンドアウトはシナリオ作成前かシナリオ作成後、どちらのほうが多いですか?また、それは何故ですか?
 回答結果

 アクトトレーラーやハンドアウト―R時代のGF誌において用いられた名称から両方をあわせてプレプレアクトテキストとも呼ばれている―を書くタイミングの集計結果は以下の通り。
 なお、まずは骨組みを作ってから後で仕上げるタイプはあえて作成前に分類した。これは作成前に作り上げた場合でも結局最終的に手直しはするであろうからだ。

作成前:17名
作成中:2名
作成後:5名

 というわけで作成前、もしくは作成前半に書く人が多いようだ。理由に関して多くの人がシナリオを書く前に、どのようなシナリオなのかその骨子をしっかりと決めてからシナリオを書いているということが挙げられるであろう。
 実際、作成前の場合はイメージを固めるため、モチベーションを確認しなおすためという意見が多かった。
 作成中の場合はイメージを膨らませるため、という意見だった。
 作成後の場合はほとんど書かないから余裕がある時だけ作る、苦手だから後回しにするというネガティブな意見が多かった。

 また理由として明確に挙げられていないが、個人的にはシナリオ作成前(つまりシナリオ作成の一番最初)に作成する人が多いのはプレプレアクトテキストは最初に使用する文章である、というのも結構重要なポイントなのではないかと思った。


3.ゲストの人数、大体何人くらいになりますか?
 回答結果

 明確に数字を出してもらった人達の平均を計算してみたところ敵対ゲストで3.41名、非敵対ゲストを追加して3.83名となった。
 味方ゲストと敵ゲストを明確に分けて質問しなかった為、回答に若干の混乱が見られた。この辺りは質問の手落ちであるため申し訳ないと思っている。また、HTML版の方では「ゲストの人数、多くなっちゃうほうですか?」という没案のほうの質問を掲載してしまうというミスがあったため一部の回答では明確な数字をいただけなかった。
 その為、この数値はある程度の目安と思っていただきたい。

 参考までにDになってリリースされたオフィシャルシナリオ登場敵対ゲスト平均人数を計算してみると3.31名、非敵対ゲストを含めた平均人数が4.43名となった(なおこれにはオープニングで死亡するエキストラや味方ではないエキストラは省いてある)

 敵対ゲストは3人を基本に神業の都合上や敵対するクロマクなどの非戦統計ゲストを登場させたりなどして、場合によってもう少し増えるという結果となった。これはオフィシャルシナリオ、アンケートの両方でほぼ似たような人数に収束していることから比較的信頼度は高いだろう。
 また、アンケートでは片手落ちだったため予想上に数値が伸びなかったがおそらく非敵対ゲストを登場させるシナリオもそこそこの量があるであろうからもう少し数値が伸びると予想できる。大半のシナリオ(経験則から8割程度)においておそらくは敵対しない、いわゆる非敵対ゲストが1名程度は存在するのではないだろうか。


4.リサーチフェイズのイベントの数とか意識するほうですか?意識する場合は何回ぐらいを目安にしますか?
 回答結果

 シナリオによって大きく変わるようそであるため、これはかなりばらつきがある結果となった。
 一応平均を取ってみると3.07個となっているが、ばらついているため分布図にしてまとめてみた。基本的に幅がある場合は平均を取り、四捨五入した結果は以下の通り。

1個:■■■
2個:■■
3個:■■■■■■
4個:■■■
5個:■■■■
6個:
7個:■

 3個ぐらいと5個ぐらいがちょっと多めという結果になった。大体登場回数や、キャストの合流を想定した結果このような感じに収束するようだ。
 イベント数が6個以上、というのはそう多くないようだ。


5.リサーチ項目の数って大体どのくらいに設定しますか?
 回答結果

 当初はほとんど10個前後になるのではないかと思っていたが、蓋を開けてみれば意外にばらつきが出るという結果となった。平均をとると10.09個だが、それよりも少ないのが多いという人とそれよりもうちょっと多いという人の二通りが見られた。

 また、最も少ないところでは4つ。逆に最も多いところでは20項目となっている。
 ただ、この4項目というのは文を読む限り4段階と推察される。20項目の場合は複雑な利害関係を示すために情報が二転三転するようなシナリオなのではないだろうか?

 なお、SSS史上最もリサーチ数が多いのはフェイトSSSの“VOID CRASH”の17個(同じ情報項目での社会技能による分岐を含めると22個となる)。
 逆にリサーチ数が一番少ないのはLightning Tourの0個となる。


次回予告

お題:「シナリオ作成講座―プロットとオープニングフェイズ―」

 次の更新日時は7月12日を予定している。
 次回はシナリオの根幹となるプロットの作成の仕方、また推奨スタイルの決め方や導入の手法などのオープニングフェイズに関する手法を実際に例を交えて紹介していく。


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