“Mr.Lucky Strike”高橋 瞬(Kabuki● Kabuto-Wari Inu◎)

 実力はあるのだが、臆病で実力を発揮しきれない典型的な駄目イヌ。
 その辺りは自分でも気にしており、その分気が長く努力は怠らない真面目な一面もある。
 そのため訓練で身体に覚えこませた習性や粘り強い捜査、そしていざと言う時の持ち前の運のよさから時折信じられないくらいの大金星を上げることもある。

 普段はあまりに使えないっぷりをアピールするような駄目ロールプレイを展開する。カブキであることをいいことにかなり色々とやるために見ていてなかなか楽しい。
 そして戦闘中はラッキーマンとしてのカブキを演出する。
 メインコンボは<ラッキーストライク>+<跳弾>+<カース>のコンボで彼のハンドルの由来の通り、へっぴり腰で撃たれたろくに狙いのついていない銃弾は何故か「幸運にも」命中する。

 彼のインパクトは強力で、印象に残っているエピソードはたくさんあるが特に印象深かったエピソードを紹介しよう。
 そのアクトで彼は主人公の推奨である「荒事枠」で参加した。
 彼はとある娼婦の少女と親しかったが、ある日その少女が「あたしが死んだら仇を取ってよね」と意味深なことを言い、そして行方不明になる。彼女はレッガー同士の抗争に巻き込まれ、そして死んだのだ。
 彼は彼女との約束を果たすため、あくまでイヌとしてではなく一人の男として約束を果たすために単身彼女を殺したレッガーの元へと赴いた。
 そして、そのレッガーを目の前にして自分に≪制裁≫を使用。回想シーンへと移行した

 夜の機動捜査課、同僚がみんな帰って暗い部屋の中ただ一人机に向かって辞表を書いている高橋。
 彼は自分の個人的怨恨から行う今回の件に対してイヌとして自分は失格だと思い、課に迷惑をかけないために辞表を提出しようとしたのだ。
 しかしここで機動捜査課での辛いが、かけがいの無い思い出が次々とフィードバックする。震える手、目からは涙があふれてくる。でもけじめをつけるために彼は辞表を書き上げ、そして冴子の机の引き出しのそっとしまうとレッガーの元へと赴いたのだ。(≪制裁≫のダメージはID剥奪)

 レッガーたちに囲まれ、震える手でしかし確かに憎むべき相手に銃を向けて彼は言い放った。
「フリーズとは言わない。僕はもうバッヂを棄てた、君たちが僕を殺すのにためらうことは何もない。でも、僕は自分が死んでも君を殺さなくちゃいけない……約束、だから」
 それまで本当に駄目なイヌとしてのバックボーンがあった中でやったこの演出に僕はしびれた。カッコ悪くて情けない、そんな彼が覚悟を決めて自分よりも強大なゲストに銃を向けたのだ。
 それは、本当にカッコよかった。

 コメディさ・駄目さを武器にしたシリアス演出のエッジさは、普通にカッコいいキャラクターとは違った鋭さを持っている。
 “Mr.Lucky Strike”はそれを僕に教えてくれたキャストです。


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