このニューロエイジにおいて、暴力と言うのはどこでも必要とされている。だから、君のような腕の立つ荒事屋は食い扶持に困ることは無い。君は今日もまた、新しい依頼を受けるためにヤロールへと向かっている。
　今回の標的は一体どういう奴だろう？仕事を請ける前、君はいつも標的のことを考える。必要とあらば子供や老人でもかまわないが出来ればやはり腕の立つやつが標的だと良い、そう思う。
　こんな感情は、君の様な稼業をやるものにとって好ましくないのだろう。今までは腕と運でどうにか生き残ってきたが、強い相手と戦えばやはり自分が敗北し死ぬ可能性も上がる。リスクの高い仕事ばかりを好んで請けていてはなおさらだ。
　だが、それでも強い奴と戦う時の感触を君は忘れられない。相手の渾身を込めた一撃を紙一重でかわし相手を倒す感触を忘れられない。
　だから思う。今度の標的は、強いのだろうか？