トーキーSSS「この声がとどくまで」

Gray RoomN◎VAオフィシャル・プレアクトテキスト

 この街は暴力に満ちている。
 毎日起こる犯罪は、無数の被害者を作り出す。
 だが、彼らに差し伸べられる手はあまりにも少ない。
 男達は彼らを助けたかった。
 だが守るには、力が足りなかった。
 救うには、金が足りなかった。
 だから、男達は少女に嘘をつく。きっとそれが、幸せに続くことだと信じて。
 こんな悲しい世界では、それしかできないから。

トーキョーN◎VA The Detonation “Wired Girls”

 嘘で作られた運命の扉が、開く時を待っている。

■シナリオハンドアウト
※キャストには以下の設定がつくことになる。RLはキャスト作成時、もしくはアクト前にこのハンドアウトを提示し、PLと相談すること。
『トーキー』:ベルナルドという友人がいる
『タタラ』:かつて南奈那美という少女を治療したことがある
『フェイト』:クリスティンという少女から依頼を受ける
『イヌ』:機動捜査課に所属している
『カタナ』:殺し依頼を引き受ける

トーキー:フリージャーナリスト

コネ:ベルナルド=グリフィス
推奨スート:クラブ(友人)

 ベルナルドはあなたの友人―いや、親友だ。真面目で、お人好しで、妹のクリスティンに甘い男だ。T.F.に所属して少しでも人のためになれば、と働いている。だが、半年前にクリスティンがテロに巻き込まれてから、ベルナルドと連絡が取れなくなる。
 そんな彼から久しぶりに連絡が入った。だが相談に乗ってほしい、という彼の声の深刻さに、キミは胸騒ぎを覚えた。

タタラ:医者

コネ:南奈那美(みなみ・ななみ)
推奨スート:クラブ(かつて面倒を見た少女)

 奈那美はキミがかつて担当していた患者である。強盗に家を襲われ、家族を皆失い、彼女自身も大きな怪我を負った。身寄りがいない彼女は、T.F.特別対策部の藍川という男に引き取られた。
 それから半年という時が過ぎ、T.F.の代表である粕川うららが、奈那美のことについて話を聞きたいと訪ねてくる。いったい何があったというのだろうか?

フェイト:探偵

コネ:クリスティン=グリフィス
推奨スート:ダイヤ(依頼人)

 探偵というのは地味な仕事である。基本的には失せ者探しや浮気調査ばかり。怪盗との対決なんてドラマやコミックの中の話だ。殺人事件の調査を依頼されるなんて、まずない。そう、あり得るはずがないのだ。
 だからクリスティンからの依頼に、自分の耳を疑った。彼女はキミに、兄を殺した犯人を捜して欲しい、と言ってきたのだから。

イヌ:ブラックハウンド機動捜査課

コネ:千早冴子(ちはや・さえこ)
推奨スート:ダイヤ(上司)

 休む間もなく起こり続ける事件。増え続ける被害者。N◎VAの街は、君に休む間も与えずに、犯罪との戦いへと呼び出す。
 今回、キミが任される事件はT.F.の職員であるベルナルド・グリフィスの殺人事件。既に犯人は特定されており、キミは逮捕をするだけでいいという。

カタナ:殺し屋

コネ:ミスター・エース
推奨スート:ダイヤ(依頼人)

 よくある依頼、よくある仕事。Mr.エースの仕事も、その例に漏れずシンプルだった。内容は殺し、報酬は前金で1プラチナム。ターゲットの居場所も分かっている。
 そう、簡単な仕事のはずだった。だが、どんな凄腕の殺し屋でも死体が標的じゃ殺せないだろう。血まみれのターゲットを見つめながら、キミは思う。簡単な仕事のはずだった。


―シナリオスペック―

▼必要神業:
 本アクトでは≪真実≫、≪タイムリー!≫、≪暴露≫が必要である。
 これ以外に3つ以上の防御神業がない場合はゲストの即殺神業のみでキャストが死亡する可能性がある。

▼主な情報収集技能:
 本アクトで主に使われる社会技能として<社会:N◎VA><社会:テクノロジー><社会:ストリート>が挙げられる。

▼キャスト間コネクション:
 キャスト間コネは『トーキー』→『タタラ』→『フェイト』→『イヌ』→『カタナ』→『トーキー』の順で取得する

▼4名以下でプレイする場合:
 4名の場合は『イヌ』か『カタナ』を、3名の場合は『イヌ』と『カタナ』を削除するとよい。


 その男は過去からやってきた。
 冷凍カプセルという亀に乗り、人工冬眠という竜宮城で過ごした浦島太郎。
 時の流れは残酷で、男からすべてのものを奪っていった。
 かくして男は凶行に走るーー。
 蔓延する奇病と暗躍するクサナギの影。
 男の悲痛な願いの前に立ちはばかるのは、分厚いイワヤトの壁。

トーキョーN◎VA The Detonation “この空の向こうに”

 閉ざされた運命の扉を超え、声なき叫びは空の向こうに届くのか?

■シナリオハンドアウト
※キャストには以下の設定がつくことになる。RLはキャスト作成時、もしくはアクト前にこのハンドアウトを提示し、PLと相談すること。
『トーキー』:かつて浦島亮を取材したことがある
『タタラ』:芳華玲と腕を認め合った仲である
『フェイト』:早乙女響子という友人がいる
『イヌ』:機動捜査課に所属している
『カタナ』:クサナギと闘っている

トーキー:フリージャーナリスト

コネ:浦島亮
推奨スート:クラブ(気になっている相手)

 浦島亮は、かつて“ニューロエイジの浦島太郎”と呼ばれ、話題になった男だ。災厄以前、当時の医学では治らぬ難病にかかり、冷凍睡眠についたのだという。彼のずれた言動を、メディアは格好の道化としてあつかった。しかし、キミは浦島を思うと笑うことはできなかった。案の定、浦島はすぐにメディアから消えた。そんな彼を、ふたたび取材することになるとは思っても見なかった。

タタラ:医者

コネ:芳華玲(ファン・ファアリン)
推奨スート:スペード(腕を認められている)

 芳華玲とキミは、もし医者にかかる必要があるならお互いを指名しあうに違いない。お互いが相手の技術を認め、敬意を払っている。そんな彼女からN◎VAで流行している流行病に対処するために君の腕を借りたいという打診があった。
 さっそく医療ツールをまとめ、患者が待つラルフ医院へ向かった。新たな病との闘いが始まろうとしていた。

フェイト:探偵

コネ:早乙女響子
推奨スート:スペード(腕を買われている)

 早乙女響子は優秀な女性だ。自分の夢を叶えるために勉学に励み、N◎VA行政府の職員に採用された。その上美人ときている。君の交友関係の中でも、貴重な部類に入る。そんな彼女が、キミに頼みたいことがあるという。まさか放っておけるはずもなく、身支度を整えてすぐに待ち合わせに向かった。なんでも日本人に対する嫌がらせ事件が起きているのだという。

イヌ:ブラックハウンド機動捜査課

コネ:千早冴子(ちはや・さえこ)
推奨スート:ダイヤ(上司)

 トーキョーN◎VAに犯罪が起こらぬ日はない。すなわち、ブラックハウンド機動捜査課に休息の二文字はない。今日も千早冴子課長が隊員に招集をかけた。テロの予兆があり、行政府の要請で警戒態勢に入るのだという。
 会議が終わると、課長を君を呼び止めた。警戒態勢に入る本隊から離れ、独自に捜査を進めてほしいとのことだ。

カタナ:荒事屋

コネ:クサナギEX
推奨スート:スペード(ライバル)

 君はかつて、日本の秘密に関わると現れるという謎の工作員“クサナギ”と戦った。それが始まりだった。あの日から毎日のように、それこそ呼吸をするように戦っている。今日もまたクサナギを倒した。そいつは気になることを言った。「日本から最強のクサナギがくる」と。久しぶりにストリートの掟を思い出した。
 ―殺られる前に殺れ!


―シナリオスペック―

▼必要神業:
 本アクトでは最低限≪制裁≫などのアドレスを入手する神業が必要である。また、これ以外に≪タイムリー!≫等他人のダメージを治療する神業、≪真実≫、≪暴露≫があることを推奨する。
 これ以外に3つ以上の防御神業がない場合はゲストの即殺神業のみでキャストが死亡する可能性がある。

▼主な情報収集技能:
 本アクトで主に使われる社会技能として<社会:N◎VA><社会:テクノロジー><社会:ストリート><社会:企業>(<コネ:クサナギEX>)が挙げられる。

▼キャスト間コネクション:
 キャスト間コネは『トーキー』→『タタラ』→『フェイト』→『イヌ』→『カタナ』→『トーキー』の順で取得する。

▼4名以下でプレイする場合:
 4名の場合は『イヌ』か『カタナ』を、3名の場合は『イヌ』と『カタナ』を削除するとよい。

▼特記事項:
 本アクトに登場するクサナギに関してはルールブック付属シナリオ「託された言葉」でも語られる。『カタナ』のキャストは事前にこのアクトを遊んでおくと導入がやりやすい。もっとも、未プレイでもなんら問題はない。


Gray RoomN◎VAオフィシャル・プレアクトテキスト

※トーキョーN◎VA the Detonationはファー・イースト・アミューズメント・リサーチとゲームフィールドの著作物です。このページはこれらの著作権を侵害するものではないことをあらかじめ書き添えておきます。