Gray RoomN◎VAシナリオ

人類の歴史は、進化の歴史だった
人類はその過程で、多くの命を犠牲としてきた
そして今、小さな命が失われようとしていた
それは必要な生犠、進化のための人柱

だが、小さな命の灯火は消えなかった
氷の心を持つ女性に芽生えた、母性という暖かな感情が彼を守った

しかし凍てついた心に産まれた暖かな光は、悲劇という雪崩を引き起こす
無償の優しさが、忘れ去られた罪が、消え去った真実が、ナイフとなり少年の心を切り裂く
そして少年は凶行に走る。助けてほしいと声なき声で叫び続けながら

トーキョーN◎VAthe Detonation、 「優しさというナイフ」

残酷な運命に傷つけられた少年の心を助けてあげてほしい――
それが、彼女が遺した最後の想い

■シナリオハンドアウト
※キャストには以下の設定がつくことになる。RLはキャスト作成時、もしくはアクト前にこのハンドアウトを提示し、PLと相談すること。
『フェイト』:君塚房恵という友人がいる
『クグツ』:栗栖弘之という上司がいる
『トーキー』:君塚聖夜というトーキーの卵の面倒を見ている
『ニューロ』:アルファ=オメガの友人である
『イヌ』:特になし

フェイト:探偵

コネ:君塚房恵(きみづか・ふさえ)
推奨スート:クラブ(友人)

 君塚房恵と君は10年も付き合いの続いている古くからの友人同士だ。いや、だった。彼女は先日自殺してしまったのだ。
 彼女が死の間際に君に遺した「息子を、聖夜をお願い」というメッセージ。一体彼女とその息子の間に何があったのかは分らないが、あの事件以来彼女の息子、聖夜は行方をくらませている。彼女の自殺の原因は分らないが、その鍵は聖夜が握っている。そんな気がした。

トーキー:フリージャーナリスト

コネ:君塚聖夜(きみづか・せいや)
推奨スート:ダイヤ(かつて取材した)

 聖夜は、君が面倒を見ているトーキーの卵だ。不良ぶっているが、彼の書く文章を読めば彼がこの街では珍しいほどに真っ直ぐな心の持ち主なのがわかる。まだ荒削りながらも努力を惜しまないその姿勢と、また確固たる信念を持つ彼はいいトーキーになると思った。
 しかし、そんな彼が打ち合わせをすっぽかした。コールしても反応はない。彼の義母の訃報を知ったのは、それからすぐのことだった。

クグツ:千早重工後方処理課第三班

コネ:栗栖弘之(くりす・ひろゆき)
推奨スート:ダイヤ(上司)

 栗栖弘之は研究者あがりのエグゼグだ。そして、今回君は彼の命令で動くこととなった。君に言い渡された任務は千早重工の研究者、君塚房江自殺に関しての調査。
 なんでも状況的に自殺以外と思われるが、ちょうど彼女が自殺した時間帯の彼女の自宅セキュリティカメラは沈黙していたという。つまり、自殺に見せかけた他殺の可能性も否定できないというのだ。

ニューロ:フリーランスのハッカー

コネ:アルファ=オメガ
推奨スート:クラブ(友人)

 アルファ=オメガが誘拐されてしまった、それも君の目の前で。もっとも君もウィザード級。虚を突かれて不覚を取ったが、真っ向勝負では負けやしない。君は犯人のアドレスを二秒でサーチしアクセスした。しかし、そのアドレスは存在しないと弾かれてしまった。あまりに不可解だったがそれが現実だった。その後、君は他にも同様の事件が起こっていることを知った。“デュアルムーン”、それが犯人の名だった。

イヌ:ブラックハウンド機動捜査課

コネ:千早冴子(ちはや・さえこ)
推奨スート:ダイヤ(上司)

 ここ最近、AIたちが失踪するという事件が頻発している。調査の結果、彼らが強制的に転送させられているのは突き止めた。しかし転送先のアドレスはバラバラで、またどのアドレスも調べてみると存在しないアドレスだった。非常に狡猾な腕利きによる犯罪だ。だが、だからといって諦めるわけにはいかない。誘拐されたAI達の命は君の双肩にかかっているといっても過言ではないのだから。


・主要情報収集技能
 本シナリオで主に使用される情報技能は優先度順に<社会:ストリート><社会:企業><社会:ウェブ>である。

・必要神業
 本シナリオでは≪真実≫と、また≪電脳神≫などの偽装系神業を無効化できる神業が必要である。
 これ以外に2枚以上の防御神業がない場合、ゲストの即殺神業のみでキャストが死ぬ可能性がある。

・達成値上限
 本シナリオは特に達成値上限を設定しない。大体23〜25あたりを目安にしてもらえるといいだろう。

・キャスト間コネ
 『フェイト』→『トーキー』→『クグツ』→『ニューロ』→『イヌ』→『フェイト』で取得すること

・4名以下でプレイする場合
 4名ならば『イヌ』を、3名ならば『イヌ』と『ニューロ』を削除してプレイするとよい。ただし、この場合必要神業には注意すること。


Gray RoomN◎VAシナリオ