前回、「シナリオ作成講座―シナリオのイメージを持つ―」では、シナリオのイメージについて述べた。
今回はそのイメージを実際に整理・文章化する方法について考えていこうとおもう。
シナリオイメージメモとは?
シナリオを書く時にイメージをそのまま直接シナリオにするよりも、まずはどんなシナリオが作りたいのかをしっかりと形に残してから書く方が完成度が高くなるのは言うまでもないことであろう。
イメージだけでは全体像を捉えているつもりで意外に細かいところには気がついていないものだ。視覚化することで見えてくる問題点などもあるだろう。
また、視覚化することでさらにイメージが刺激されてさらにイメージが広がることも多い。
こうした、シナリオを書く前にイメージをしっかりとした形で残したものをプロットと呼ぶことにする。
しかし、いきなり整理された形のプロットを作成するのは難しい。そこで、その前段階として構想をメモしたものを用意するとプロットやシナリオの形にしやすい。このメモをシナリオイメージメモと呼ぶ。
シナリオイメージメモの作成
では実際にシナリオイメージメモの作成に入ろう。
ぶっちゃけた話、シナリオイメージメモの書き方にこれというものはない。それはそうだ、構想をただ書き出しただけのものなのだから。
とりあえず、何のためにシナリオイメージメモを作成するのか。簡単な話が、自分がシナリオでどんなことを書きたいのか、どんなシーンを入れたいのかきっちりと書き出すということ。それだけをしっかりと理解し、その目的だけが達成出来るならばどのような書き方でも構わないと思う。
とはいえどんなものでもよいというのは、つまり何を書いていいのか分らない可能性があるということでもある。
そこで一応以下に僕のものを例としてあげてみようと思う。僕の場合は本当にこんなどうしようもないメモ程度のものがシナリオ作成の一番最初だったりする。
まずは思いつくままを書き記していく。
シナリオ作成メモは本当にメモなので使えるか使えないかは気にせず、文法も気にせずただ思うままを書き出していく。
First Friendシナリオイメージメモ(第一稿)
・リクエストシナリオを作る
・リクエストの条件1.ニューロがPC@
・リクエストした人の持ちキャストニューロは女の子なのでこれを想定してシナリオを作成
・リクエストの条件2.アスタロテを絡める
・アスタロテを絡めると言うことはテラウェア関係
・テラウェア関係と言うことは企業がらみか(クグツ枠?)
・ニューロといえば醍醐味はイワヤト級ファイアウォールへのアタック(テラウェアがらみの話にするのだからテラウェアへのデータベースハックか)
・ヤバイ機密ファイルを盗み出してあら大変という感じ
・せっかくルテチアを吸収したのだから、機密ファイルは“ソロモン”シリーズなどの超AI関係か?
・アスタロテから依頼を受ける枠が欲しい。ニューロ枠は既にPC@だからフェイトなど?
僕の場合はこれをしばらく寝かしておく。以降時間があれば色々と思考し構想を膨らませる。僕は電車の中などひとりで暇な時間は大体こういう構想の時間に当てている。
使えなさそうなところは別ファイルに分けて(そのシナリオで使えずとも別シナリオで使用できる可能性があるので消去はしない)、使えそうな部分でさらに思いついた部分があれば追加していく
また、この時点で「シナリオ作成講座―シナリオのイメージを持つ―」で述べた3要素で足りない部分があったら補強していく。
First Friendシナリオ作成メモ(最終稿)
・リクエストシナリオを作る
・リクエストの条件1.ニューロがPC@
・リクエストした人の持ちキャストニューロは女の子なのでこれを想定してシナリオを作成
・リクエストの条件2.アスタロテを絡める
・アスタロテはキャストの味方に設定
・アスタロテを絡めると言うことはテラウェア関係
・テラウェア関係と言うことは企業がらみか(クグツ枠?)
・想定ニューロがみんな仲良く系のぱーぱかニューロなので下手にハッキングするよりも友情話へシフト
・DでニューロネタだとAIがホットか。非AIのニューロと、AIの交流話だとよいかも
・ただのAIではインパクトが薄い。かといって軍事AIは既にオフィシャルシナリオ「小さな恋のメロディ」で使用されている。
・せっかくテラウェアで、テラウェアがルテチアを吸収したのだから電脳聖母事件でプロテクトが外れた“ソロモン”シリーズ(ルテチアが所持する72体の超AI)はどうだろう?
・アスタロテを絡めるのだから彼女が所持していた“ソロモン”シリーズがよいだろう
・アスタロテが所持している“ソロモン”シリーズはファルコネウス、バアル、マルコシアス。ひねってAIの名前をつけたいことを考えるとバアルかマルコシアスといったところ(バアルの文字を入れ替えてアルバか、マルコシアスの最初三文字でマルコとか)
・アスタロテから依頼を受ける枠が欲しい。ニューロ枠は既にPC@だからフェイトなど?
・AIをただの道具と思っているゲストがいるとキャストがさらに引き立つだろう→AIを軍事利用するマッドサイエンティスト?
・「AIなんて道具だ」と言うゲストに対して、「友達だ」と言えるシーンがあったら気持ちいいかな
・新型義体を軍事プログラムでプロテクトされたAIで動かす計画だとよいか(浄化派の戦力確保と言う名目では使いやすいし)
・新型義体に仲間を全滅させられるイヌ枠などもありかな?
・Who am I?でも使われた手法だが、≪死の舞踏≫を≪ファイト!≫してスタイルを偽装してみよう。それにより最初は恐ろしい戦闘用義体と思われていた義体が、実は……と言うことができる。
・クグツ枠に対応させる腕利きのナンバーズを設定すれば結構クグツ枠は燃えれるはず
・AI話だからウェブ系の話になるはず、となるとシナリオコネはアルファ=オメガとか?
・アルファ=オメガの面倒を見ていて事件に巻き込まれるトーキーとかは面白そう
3要素はしっかりとしているか?
・シーンはマッドサイエンティストにAIなんて兵器に過ぎないといわれた際に「違う、彼は僕の友人だ」と主張するシーンは気持ちいいだろう
・テーマはAIとニューロの交流で一本芯を通してみる
・ゲストはナンバーズをちょっと凝ってみよう。あと、マッドサイエンティストもベタなのをやれば盛り上がるはず
ネタ帳(シナリオ作成メモから分離させたネタを記すメモ)
ニューロといえば醍醐味はイワヤト級ファイアウォールへのアタック(テラウェアがらみの話にするのだからテラウェアへのデータベースハックか)
ヤバイ機密ファイルを盗み出してあら大変という感じ
次回予告
お題:「シナリオ作成講座3―シナリオプロットを作成する―」
次の更新日時は9月7日を予定している。
シナリオ作成講座の3回目となる次回は、今回のシナリオイメージメモを元にシナリオプロットを書き出す方法について書いていこうと思う。
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